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<柏市防災福祉K-Net> その3:K-Netの確立に向けて


K-Netの登録者数等
支援団体 6団体(民児協、社協、健康づくり推進協議会等)、6町会
登録支援者数 161人(上記支援団体構成員を除く)
登録要援護者数 5,136人
市想定
要援護者数
75,498人
平成21年7月現在

(地域支援者の不足)
 市では、本格始動を前に、平成18年半ばから平成20年3月までの1年半、市内4ヶ所をモデル地区に指定し、サンプリング調査を行っている。対象地区には、団地と住宅地それぞれ2地区ずつを指定したが、結果的に成功と呼べたのは住宅地の1地区だけに終わったという。失敗の最大の要因は、地区内の高齢化による支援者不足。要支援者1人に対し、支援者2〜3人がつくことが最大のネックとなったようだ。そして、本格始動した今も、足踏みしてしまう理由はこの点にあるという。

 平成21年7月現在の要援護登録者数は、5136人(高齢者4,306人、障害者821人、他9人)。これに対し、K-Netに届けられている地域支援者数は、200人(下記※1)に満たないというのが現状のようだ。この要援護者数は、年々増加が見込まれており、2015年(平成27年)には65歳以上の高齢者だけでも41,000人、高齢化率も17.6%から27%となるという統計データ(下記※2)もある。さらに、その他の要援護対象者も増加することが予想され、支援者不足をどう補うかが、このK-Net体制の浮沈に大きく関わっている。

 市としても、当然この点については懸念しており、各町会内にある班や棟単位での見守りについても、選択肢のうちに入れている。この班・棟による支援活動には、@日常における支援者の負担や責任の軽減に繋がる。A実際に災害が起きた場合、被害・負傷の軽い支援者が援護活動に従事すればよいといったメリットがある。仮に、現時点で支援者を確保できたとしても、今後は支援者が援護される側に回っていくことを考えると、将来このK-Netを維持していくことが難しくなってくる。班・棟による支援体制を築く方が、支援者が特定されないというデメリットもあるが、より継続性はあるのかもしれない。この選択をするのは各地域になる。どのような共助を築いていくのか。まず、その方向を選択することから、地域の共助が始まる。


(共助の在り方)
 その共助は、各々の自助の意識があってこそ、初めて成り立つものだ。大野さんは「今以上に要援護者の防災意識を高めていきたい」と話す。平時から防災意識を持ち、避難道具を備え、自分の避難場所や緊急連絡先を書いたものを手元に置いておく。「自分の身は自分で守る」という自助の心構えを少しでも持ってもらわなければ、共助は成り立たなくなってしまうからだ。また、支援者についても自助あってこその支援(共助)であることを踏まえなければ、突発的に生じる災害において、共助にまで手が回らなくなってしまうことだろう。自助の意識を持つことが何よりも優先される。

 もう一つ、共助には「相手(要援護者)を知る」ことも大切になってくる。各町会・自治会からは「地域住民の要援護者に対する知識がまだまだ浸透していない」という意見も寄せられているようだ。ひと言に、高齢者といっても、一人暮らしの方もいれば高齢者のみ世帯もいる。さらに、その中で、持病をもっている方もいれば、体が不自由な方もいる。その他にも、地域には障がい者や日本語が不自由な外国籍の方、乳幼児、妊産婦など、様々なアイデンティティを持った人たちが居住している。彼らがどういった支援を求め、支援者が何を行う必要があるのかについて理解を深めていく必要がある。

 市では、住民主体の防災体制を築くにあたって、当事者団体からの意見聴取を行っている。これを十分加味して作成したのが「柏市防災福祉K-Net支援者マニュアル」になる。(柏市のHPに掲載されているので、ご覧になりたい方はこちらから→柏市HP内「柏市防災福祉K-Netへようこそ」)。ただ、HPでの掲載や各町会・自主防災組織への配布を行ってはいるが、まだまだ理解が深まっているとは言えず、今後は地区集会や広報誌、防災訓練等を行っていくことで、少しずつ住民の理解を深めていく必要があるだろう。この理解が深まるほど、支援者や要援護登録者数も増加し、共助に繋がってくることになるはずだ。

 阪神・淡路大震災では、救出・救護された多くの方は、近隣住民の手によるものだったという。また、交通網の遮断による救援物資の遅延もあった。この点を踏まえて、柏市のK-Netでは公助が機能するまでの間を、地域の共助によるより迅速な救出救護や避難誘導、避難場所での支援等が行えるように、小域圏の防災ネットワークを市内に張り巡らす体制を取った。共助による災害時対応で、被災状況を少しでも軽減しようというものだ。現在、その共助を作り上げていく段階で、上記のような課題が出てきてはいる。しかし、この課題を一つひとつ克服していった先に「災害時一人も見逃さない(下記※3)」防災ネットワークのK-Netが誕生することになるのだろう。

 まだ、開始したばかりのこの「柏市防災福祉K-Net」を地区ではどのように取り組んでいるのだろうか? 次章からは柏市藤心地区の活動を通して見ていきたい。

(※1)町会によっては、地域支援者の代表者のみが登録していることもあるため、実数はこの数字よりも多いようだ。
(※2)平成18年3月に柏市が発表した「柏市被害想定調査報告書(概要版)」内の記載データから引用
(※3)平成18年3月から、全国22万人の民生委員は「災害時一人も見逃さない運動」に取り組んでいる。平成19年10月からは「第2次」に移り、防災福祉マップや台帳の整備が目標に掲げられている。




その他の柏市K-Net・藤心地区関連ページ


   指定民児協の活動内容

   柏市防災福祉K-Net
    その1:柏市防災福祉K-Netとは?
    その2:町会と民生委員の役割
    その3:K-Net確立に向けて

   柏市藤心地区の取り組み
    その4:藤心民児協発「災害時一人も見逃さない運動」
    その5:地域の再確認
    その6:民生委員行動マニュアルと防災福祉マップ
    その7:民生委員から地区防災へ
    その8:今、できること