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<藤心地区の取り組み> その8:今、できること

 皆さんは、「ハチドリのひとしずく」という物語をご存じだろうか? 南米大陸のアンデス地方に暮らす先住民の間で、何百年もの間、子から孫へと語り継がれてきたものだ。この物語は、地球温暖化防止に向けた活動の中で、「自分にできるエコを行おう」というスローガンと併せて、しばしば新聞等に紹介されている。

<あらすじ>

 ある時、多くの動物たちが住んでいる森で、火事が起きました。

 火は、瞬く間に燃え広がり、多くの動物たちは我先にと森から逃げようとしました。

 そうした中、一羽のハチドリだけは、くちばしを使って、水を一滴一滴運び、燃え盛る木々に水をかけています。

 他の動物たちは、「そんなことやったってどうなるんだ」と、笑いながら言いました。

 その時、ハチドリはこう答えました。

 「私は、今自分にできることをしているだけだ」と。

引用:光文社発行、 辻信一著「ハチドリのひとしずく いま、私にできること」

 この内容は、民生委員活動にも当てはめることができるのではないだろうか?
 現在、地域には少子高齢化や核家族化が浸透し、向こう三軒両隣といった近隣関係も遠い日のことになりつつある。その影響か、地域には高齢者や児童に対する虐待、犯罪が後を絶たず、多くの課題・問題が山積している。それにあわせ、民生委員が果たすべき役割は年々増加しているにも関わらず、個人情報保護条例の影響のため、行政から必要な情報が得にくいという弊害も出ている状況だ。なかなか一朝一夕にはいかない課題ばかりだが、その一つひとつにきちんと向き合っていくことから始めるしかない。

 例えば、皆さんは「相談者に、福祉サービスを紹介する」際、基本的には「@普段から小まめに声掛けしながら、生活環境を把握する。Aサービス(制度)に対する学習を行う。B生活状況に応じた適切なサービス(制度)を紹介する」といった手順を踏むだろう。その時々、「今、自分ができること」を、一つひとつ積み重ねてきたものが、信頼にも適切なサービスを紹介することにも繋がっているはずだ。
 藤心地区の防災活動も、その題材選びや地区内再点検作業など、常に「今、民生委員ができること」を考えて、それを実行に移してきたからこそ、ある一定の成果が生まれているのだ。さらに、この姿勢は、防災活動以前から行っている関係機関との連携にも活かされている。

 武井会長は、(冒頭で)藤心地区民児協の独自事業のなさを嘆いていたが、毎年他関係機関と多くの共催・協力事業を精力的に行っている。例えば、青少年健全育成推進協議会とは、地区内小中学校で「サマーフェスティバル」の開催や「おもしろ科学手品」という特別授業を開催し、PTAや先生・生徒との交流を積極的に行っている。社協の高齢者サロンにも参画し、平成20年度にはこのサロン参加者を対象に、民児協行動マニュアルに沿った防災訓練を実施し、防災笛や安心カード(緊急連絡カード)を配布したりもしている。その他、在宅福祉センターとの連携や学校ボランティアへの参画と、幅広い世代の支援活動を行ってきているのだ。こうした地道な活動で生まれた「つながり」が、わずか2年という短期間で、民生委員活動から地区防災活動へと発展させていくことができた大きな要因になったのだろう。

 武井会長は、この2年間の活動について「とにかく汗をかきました。でも、汗を流したことが民生委員同士の気持ちを一つにすることに繋がりましたし、地区のまとまりも強まったように思います」と、その成果を話してくれた。藤心地区にとっては、この活動が民児協内部と地区住民それぞれの連帯感を、より強固なものとする契機となったようだ。
 この防災活動は、終着点のない活動でもある。ゆっくりと、自分のあったペースで、一つひとつ積み上げていくことが大事なことだろう。皆さんの地区でも、「今、地域で民生委員ができること、求められていること」について、改めて話し合いの場を持ってみてはどうだろうか?




取材協力

(敬称略)
 ■柏市(取材日:平成21年7月7日)
  上野 哲夫(保健福祉総務課)
  大野 通江(保健福祉総務課)
  立花 正志(保健福祉総務課)
  湯本 浩二(防災安全課)

 ■柏市民児協(取材日:平成21年6月9日)
  小竹 惠子(柏市民児協会長、県民児協理事)
  佐々木 一茂(柏市社会福祉協議会)

 ■藤心地区(取材日:平成21年7月9日)
  濱田 重道(逆井中学校校長)
  中澤 昭治(逆井町会副町会長)
  鈴木 清之(逆井町会総務部長、藤部防災部長)
  松村 征典(ふるさと協議会副会長、地区社協会長)
  武井 征子(地区民児協会長)
  林  よし(地区民児協副会長)
  日暮 祐治(地区民児協防災担当)
  上村 壽甫(地区民児協防災担当)


<取材・執筆>
  県民児協事務局




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    その3:K-Net確立に向けて

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    その4:藤心民児協発「災害時一人も見逃さない運動」
    その5:地域の再確認
    その6:民生委員行動マニュアルと防災福祉マップ
    その7:民生委員から地区防災へ
    その8:今、できること