トップ > 民生委員の部屋トップ > トピックス > この人に聴く! 民生委員活動


 本コーナーの第1弾目は、千葉県の民生委員業務を統括する千葉県健康福祉指導課調整指導室の北郷副主査に、民生委員活動について、お話を伺ってきました。




県健康福祉指導課の概要


 今回お話を伺った県健康福祉指導課の概要です。

名称 千葉県健康福祉部健康福祉指導課調整指導室
担当者 北郷 嘉子(きたごう よしこ)
設立年月日 平成16年4月1日(組織改正による)
主な事業内容 ・保健・医療・福祉に関する統計調査
・民生委員法、社会福祉法の施行に関すること
・地域福祉の推進に関すること
・福祉の人材確保・定着及び福祉人材の育成に関すること
・福祉サービスの第三者評価
・介護サービスの情報の公表に関すること
・生活保護法の施行に関すること
・遺族等援護法に関すること
・原子爆弾被爆者の援護に関する法律の施行に関すること
今年度の重点事業 <福祉人材の育成確保>
近年、福祉現場の人材不足が深刻な状況です。そのため、福祉を支える人材の育成・確保を推進しています。
主に協働・連携している組織 社会福祉協議会・市町村・所管法人・所管施設・関係団体・厚生労働省・県民生委員児童委員協議会
※内部では、健康福祉センター及び健康福祉部内各課や関係課(例:児童家庭課、高齢者福祉課、障害福祉課など)




県健康福祉指導課に聴く!民生委員活動


 インタビュー内容については、一問一答形式で掲載しています。



Q1. 貴組織と民生委員・児童委員(民児協)とは、どのような形で関わりを持っていますか?

県庁民生委員担当の北郷副主査 千葉県健康福祉部健康福祉指導課調整指導室の北郷嘉子副主査。

 民生委員・児童委員(以下「民生委員」という。)活動が円滑に進められるよう、市町村や県民児協と協力しながら民生委員活動支援をしています。
 具体的には、民生委員の委嘱・解嘱に係る事務が中心ですが、千葉県内の53市町村(政令指定都市及び中核市は除く。)から提出される「活動記録」の件数を集計して国へ報告したり、県民児協への委託事業として「新任民生委員児童委員研修会」や「中堅民生委員児童委員研修会」等を実施しています。
 現在(平成21年9月)は、活動の現状に対応できるよう、県民児協の活動記録等マニュアル作成部会にも参加しているところです。(→部会についてはこちら)
 また、県からは、「民生委員手帳」や「民生委員必携」などの参考資料を、県内53市町村の民生委員へ配布することや、活動費等の事業費支援も行っています。




Q2. このような関わりを持つ中で、特に留意していることはありますか?

 地域住民のために、懸命に活動をされている民生委員活動の支援を、活動の基盤が市町村単位であることに留意しながら、進めていきたいと思っています。一方で、一言に千葉県と言っても広域に渡るため、地域差が生じており、県内の市町村を一律の要件で制度運用を図ることが難ししいと感じているところです。




Q3. 民生委員・児童委員の委嘱の手続きとは、どのようなものですか?

項 目 総 数
民生委員・児童委員総数 7,129人
区域担当 6,468人
主任児童委員 661人
平成21年8月1日現在(中核市を含む)

 民生委員法や民生委員信条にあるように、民生委員を担っていただくには、豊かな人格をもって、ルールを守り、地域住民との架け橋になる事を大切な要件としています。
 地域住民の中から選ばれた方は、まず市町村の推薦会で審査された後、県に推薦されてきます。県では、市町村から推薦された方々について、要件を満たしているかどうか書類を確認し、審査会(千葉県社会福祉審議会)で審査し、国に推薦しています。
 高齢化や働く世代の雇用期間の延長などの社会的な背景を受け、地域によっては民生委員を担うことのできる住民が減っています。また、福祉課題の多様化等によって、広範囲に渡る民生委員活動に負担に感じてしまうことが、民生委員の担い手の不足の原因の一つではないでしょうか。
 こうした担い手不足を含め、民生委員活動を円滑に進めるための対策の一つとして、民生委員活動を地域住民に正しく理解してもらうことや、住民の協力のもとに民生委員活動を行うことができる基盤を作っていくことが必要不可欠だと思います。県民児協ホームページも各地区民児協の具体的な取り組みの紹介など、わかりやすく民生委員制度の実情を県民に向けて発信していますよね。




Q4. 各市町村から提出される「活動記録」についてですが、データはどのように活用しているのですか?

 毎年、県から国に各項目の件数を報告することで、政策検討等の基礎資料として活用するなど、重要な統計資料や活動内容の傾向を探る資料となっています。統計は厚生労働省ホームページより閲覧可能です。(→厚生労働省「福祉行政報告例」の月別データと概要はこちら、詳細なデータはこちら)
 また、民生委員活動については、県内各地域で特色を生かした取り組みがあります。日頃の活動を記録した件数の集計から県下の状況を見ると、少子高齢化の影響を受けて、高齢者支援が非常に多くなっていることがわかり、今後もそれは増加することが見込まれます。活動の内容においては、相談支援のほか、サロン活動などの地域活動への参加も増えているところです。他には、行政からの介護保険制度の調査協力や虐待ケースへの協力が求められることも多くなっていることが近年の傾向です。
 地域でも、各民児協の民生委員活動の傾向を分析し、ご活用いただきたいと思います。


Q5. 今後の民生委員・児童委員(民児協)にどのようなことを期待していますか?

 民生委員の皆様には、日ごろから地域住民との関わり合いを大切にしていただき、それぞれの地域に合った、地域に根ざす活動を今後も期待しています。
 地域の中には、様々な問題が存在しています。例えば、高齢者への詐欺や虐待、児童虐待、災害時対応。加えて、近年の景気悪化などによる社会情勢の変化や、平成12年創設の介護保険制度以降の福祉関連制度の目まぐるしい変化などが挙げられます。
 実際の活動では、民生委員一人の活動では困難な場合もあるでしょう。そのような時、活動上の悩みはひとりで抱えず、困難ケースにはチームとして対応してほしいと思います。定例会などに出席することで、個々人の負担感が和らぐ、また、委員相互の連携をスムーズにする、民児協にはこのような役割を期待しています。
 また、地域の中には、地区社協や地域包括支援センター、学校、行政などの多くの関係機関があります。こうした機関とは、日頃の活動だけでなく、災害時の要援護者支援や虐待事例などの緊急時などにも対応できるよう、連携体制を整備することも重要です。このネットワークを通じて、民生委員活動への住民理解の深まりも期待できますので、組織として連携をとることも大切にしてほしいと思います。


Q6. 今後、県健康福祉指導課では、民生委員・児童委員(民児協)と、どのような関係を築いていきたいと思いますか。

 民生委員活動の実践に繋げられるような、地域社会の課題を取り入れた研修(例えば、地域での取り組みが円滑に進んでいる事例を、他の民児協活動の参考としていただけるように、事例発表の機会を設けた研修など。)を、県民児協と連携して継続的に実施していきたいと思います。  また、このようなホームページなども含め、民生委員活動について県民に広く伝えることの支援もしていきたいと考えています。


Q7. 最後に、民生委員をはじめ、地域住民にメッセージがありましたらお願いします。

 住民の皆様の地域生活の中で、地域の悩みごとは様々です。
 そのような中、ある地域の学校ボランティアの取り組み事例を見ることができました。下校時のパトロールや環境整備、授業のお手伝いなど、子どもたちの学校生活をサポートするボランティアさんの熱心な活動の様子から、地域の中心に学校がある雰囲気と、子どもたちへの温かい眼差しを向ける住民意識、そのような活動の中で育まれている子どもたちの姿を実感することができました。
 地域住民が同じ目的をもって取り組むことで、芽生える支えあいの心の繋がりが、やさしい地域をつくると改めて実感しています。
 そして、そのような活動を含め、日頃から地域の中で、率先してボランティアにも取り組んでいる民生委員・児童委員へのご理解とご協力をお願いします。
 今後、少子高齢化の進展により、ひとり暮らしの高齢者が増えることが予想されています。これからは、地域で支援が必要な住民を、地域で支えていくことが、より必要となっていきます。自分の住んでいる地域を、より良くするために、一人ひとりが自分で出来ることを考えながら、地域の助け合い支え合いが繋がるやさしい地域が今後も増え続けることを願います。